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バイクの歴史 日本製バイクの登場

バイクの歴史 日本製バイクの登場

 

バイクの歴史 最速への挑戦

バイクの歴史を大きくひとつかみにするなら、世界一速いバイクをつくろうと世界中の各メーカーが競ってきたという一点に尽きるでしょう。
1960年代まで、世界のバイク市場をリードしてきたのはまぎれもなく英国でした。英国の大排気量バイクは、当時世界最速を誇っていたのです。
速く走るためには高出力エンジンが必要です。
高出力を得るのに、もっとも基本的な手法は,エンジンの排気量を増やすことと回転数を上げることです。
当時のホンダは、英国の650ccエンジンのバイクを負かすには、450ccもあれば十分だということをCB450で証明したのです。それが1965年のことでした。
CB450には量産車としては、世界初となるDOHC(ダブルオーバーヘッドカムシャフト)エンジンが搭載されていたのです。
手の込んだこのエンジンは、英国の大排気量バイクが積んでいたOHV(オーバーヘッドバルブ)エンジンよりも回転数を上げることができ、それが高出力を生んだのです。
しかし、英国の大排気量バイクの王座をゆるがすには至らなかったのです。高出力とスピードだけでは、大排気量バイクの愛好者たちを納得させる決定的な何かが欠けていたということですね。

CB750の登場

もっとも、英国のメーカーが安穏としていられたのは、その後の数年間だけでした。
英国製バイクがOHV二気筒エンジンに代表される古風(クラシカル)なメカニズムに甘んじている間に、日本のメーカーは着実に次の時代を担うメカニズムの基礎を築いていったのです。
1969年に登場したホンダCB750は、あらゆる胃見でセンセーショナルでした。
注目を集めないではいられない、並列4気筒エンジンによる押し出しの強い図体と突出したパワーに加えて、航空機とスポーツカーのものだったディスクブレーキを装備し、それまでの英国の大排気量バイクとは明らかに異なる次元の乗り物であることを決定的に世界に印象づけたのです。
バイク史におけるCB750の真の意味は、1970年代の到来を目前にして、それまでにほぼ完成の域に達していたバイクの文法をいったんご破算にしたことにあります。
ここでいう文法というのは、エンジン・フレーム/サスペンションの総体からなるバイクのバランスのことです。
CB750は英国製の大排気量バイクがほぼ完成させていた文法を振り出しに戻したのです。
事実、CB750の操縦性は評判が悪いものでした。
しかし、CB750が提示した新しい文法というのは、それを補ってあまりあったのです。
それ以降、日本のメーカーが大排気量バイク詩情に続々と参入していきます。
そのほとんどが4気筒エンジンだったのです。

4気筒エンジンといって、1900年代にはすでに作られていたものです。
ゴットリーブ・ダイムラーが最初のバイクを制作したのが1885年ですから、その進歩のスピードは目を見張るものがあるのです。

高出力エンジンの追求と振動

高出力の追求は、振動との戦いでもありました。エンジンを大きく性、高出力を求めるほど振動は激しくなるのです。
2サイクルエンジンの専門メーカーだったのがヤマハですが、最初に手がけた4サイクルエンジンは653ccのOHC(オーバーヘッドカムシャフト)並列2気筒で、XS-1に搭載されました。
360度クランクの採用によって、強いトルクが得られたのです。
この方式は180度クランクと比べて振動が大きいと一般に言われています。
しかし、どっちにしてもそれほど振動は変わらず、昔のバイクに振動はつきものだったのです。
XS-1にしても流麗な見かけとは裏腹に、「エンジンをかけたままセンタースタンドを立てていると、振動で元の位置から3センチくらい動いた」ということです。
当時は、ツーリングから帰って、風呂に入り、さあ寝ようと思ったときでも手のひらにしびれが残っていたというほど、振動は激しかったのです。
振動の大きいバイクはボルトのネジが緩むので、定期的に増し締めというメンテナンスが欠かせませんでした。