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バイク選びのコツとは

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バイクの選択は,機能と合理的な理由で語れるものではないでしょう。
そこが冷蔵庫や洗濯機といった実用品との大きな違いなのです。

バイクに対する思い入れ
バイクを選ぶ際には、思い入れが入ります。
というよりも、思い入れだけで選ぶ場合が圧倒的に多いといっていいでしょう。
反論もあるかもしれません。
バイクの選択にあたっては、カタログデータなどを冷静に検討して選んだので思い入れではない…ということです。
けれども、これは反論にはあたらないでしょう。
というのも、カタログデータは思い入れを強化する材料に他ならないからです。
100人のバイク乗りがいれば、100通りの主張と好みがあり、それに基づいて選択とバイクライフがあるのです。
世の中には1人として同じ人間はいないのですから、当然といえば当然ですね。
人間の外観がしばしばその人の人柄をあらわす以上に、バイクの外観というものはその内面を雄弁に語るものですい。
もちろん、人間の世界と同様で、期待外れや見かけ倒しのこともあるでしょう。

バイク選択の錯覚
一般的に、高価なバイクが豊かなバイクライフを約束するように思われがちです。
しかし、これもまた錯覚なのです。
よく、この錯覚がバイクの宣伝活動やバイク雑誌の記事などに利用されます。
バイクの価格とバイクライフの間には相関関係というのは成立しないのです。
例えば、30万円の腕時計が刻む1時間も、3千円の腕時計が刻む1時間も等価です。
その1時間の価値と意味は、その腕時計をつけている人によって決まるのです。
腕時計が単に時を刻む機械に過ぎないのと同様なのですが、バイクも機械に過ぎません。
ですから、バイクを過信してはいけないのです。
問題は乗り手ということですね。バイクライフはバイクでは無く、乗り手がその価値と意味を決定するのです。
レクサスやベンツにふんぞりかえって乗っているドライバーは自分が偉くなったような気分に浸っているのだと思いますが、傍から見たら滑稽な場合が多いです。車に罪はないのですが…。
ハイパワーのリッターバイクを手に入れたとします。
それは、その人にとっては夢だったのかもしれませんが、その人の夢が全ての人の夢とは重なりません。
もちろん、バイクの王様のようなバイクに載って、自分のことを王様と思うのは咎めはしないのですが、これもまたずいぶんと滑稽な話に思えます。

バイクの幻想
バイクだけではなく、楽器もある種の幻想を生みます。
バイオリンやトランペットのように音を出すまでに鍛錬を要するものは別として、ギターは誰でも弾けばとりあえず音が出ます。
実はそこが落とし穴なのです。高価な楽器を手に入れることで、エリック・クラプトンのようなギター弾きになれると思い込んでしまうのです。
これは、はなはだしい誤解と錯覚であるのはいうまでもないでしょう。高価な楽器に高度なテクニックや豊かな感性が、付いてくるわけではないのは誰もが思うことなのです。
テクニックや音楽性というのは自分で磨くしかありません。
バイクを選ぶにあたっては、思い込みや幻想からいったん離れて、冷静な判断をしたほうがいいでしょう。
たとえば予算との兼ね合いも現実的な問題として横たわってきます。
カタログデータやバイク雑誌を手にとって、あれこれバイクの比較検討を行い、悩んでいるときは片思いの恋愛と同じように、冷静になれというほうが無理かもしれません。
そして、大いに悩んでいるときのほうが、バイクを選んで契約し、納車を待ち望んでいるときよりも、バイクを選んでいる過程のほうが一番充実しているときかもしれません。
バイク選びも先立つものがなければ、夢物語で終わってしまいます。
ローンを組むという方法もありますが、後々の生活に影響しないようにしたいものです。
もっとも、お金よりもバイクを欲しいという気持ちが、結局は推し進めていってくれるのでしょう。